おとーさんのバイク日記

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zoom RSS 富岡町へ行ってみた。

<<   作成日時 : 2014/09/03 23:54   >>

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 周りに見える田んぼでは稲が頭を垂れ初め、工場の町からは人々の活気が感じられる。平日だから家族連れは少ないが、物流をになう大型トラック、老夫婦の乗った乗用車、競走馬を積んだ専用車など、常磐道を北へ向かうときの、おなじみの風景だ。
 それが、福島県に入り,磐越自動車道との分岐を過ぎると雰囲気は激変する。
 2車線が1車線になり,対面通行となる。出会うのは、数台の乗用車、大型の警察車両。相馬のマークを貼った,東北ナンバーのダンプカー。国土交通省の車両。
 広野辺りから、インター毎に空間線量を示す掲示板が接地されている、「2.75μSv/h」けして低くはないが、短時間なら「直ちに健康に影響はない。」レベル。
 高架の道路からは、Jヴィレッジや海も見える。気がつくと,押し固められ,ブルーシートをかけられた四角い塊がいくつも目に入る。除染で削られた土が集められているのだろう。余り気持ちの良い景色ではない。
 そして冨岡。常磐道の終点。

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 この周辺には、桜の並木が有り、心優しい人達の営みがあった。震災前には良く来たところで、その情に助けられたり、桜並木の中を走ったり。明るく元気な爺さん達と笑い合ったりしたこともあった。
 それがどうだ。数は少ないけれど,車も走っている。除染作業をしている人達も居る。彼らは,防護服を着ているわけでもない。
 でも、この街からは,人の,いや生き物の気配が全く感じられない。家も,店もちゃんとある。道路も修復されて綺麗なものだ。草ボウボウ、と言うわけでもない。でも生き物の気配がしない。
 怖い。こんな怖さは初めてだ。
 三年少し前のあの一撃で、生き生きとしていたあの街が、こんな事になってしまうなんて。海岸通りのガソリンスタンドの、楽しいお兄ちゃんや、はしゃいでいた子ども達は何処へ行った?
 ここは福島第一原子力発電所から、直線で約8km。

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 何で今頃福一よ?もっと以前にそこに行った奴は沢山いるぞ。と言われそうだ。確かにそうかも知れない。確かにその通りだけれど、正直に言うと,今日までここには来ることが出来なかった。
 常磐富岡までは,三郷からだいたい200km。我が家からここに来るまでに走った距離はその半分。震災前は、日帰りツーリングでしょっちゅう来ていた場所だったのだが。
 震災でグチャグチャになった家の中。ひび割れた道路。落ちかけた橋。家族のために食糧を求め、水を運んだ日々。
 そういう想いが、心の中に澱のように溜まっていたのかも知れない。ある日、気を許せると思っていた仲間達の前で爆発したこともあった。(らしい。本人泥酔して覚えていない。)
 そして、福島に再訪出来たのが、茨城の海岸線がようやく片付いた二年前。それも、勿来ぐらいまで行って、まだグチャグチャの海岸線にショックを受けて帰ってきた。
 そして今回。何とか回り込んで相馬まで行きたかったんだけど、どこもかしこも通行止め。事前にリサーチして,通れるはずの山ルートも通行止めになっていて、そのまま逃げ帰ってきました。

 人は,時としてとんでもない物を造ってしまう。造っちまってから、その危うさに気付き、心配になればなるほど、屁理屈をこねては「大丈夫だ。」「心配ない。」と思い込もうとする。
 原子力発電所についても同じことを言ってきた。スリーマイルがあっても、チェルノブイリがあっても、JCOがあっても、「うちの子に限ってそんなことはあり得ない。」を押し通してきた。実際に事故が起こってからも、同じことを繰り返そうとしている。でも、現実はどうだ?
 実際に人が住めなくなったこの街を見て、そこで生きていた人達の姿を思い出して、それでも「心配ない」「大丈夫だ」と言い続けていられるのか?
 私がまだ子供だった頃。原子力は明るい未来の象徴。希望の光と宣伝されていた。「世紀をひらく 原子の火」「灯れ明るい原子力」である。そして,原子炉は地元に大きな冨をもたらした。しかし、これがその代償だとしたら,あまりにも大きい。
 それでも作っちまったのもは、何とかだましだましでも使い続け無くてはならない。大金を使ったのだから,何とか元を取らなければならない。で正当化していくのか?
 我々はもうはっきり認めるべきだ。そのおごりから造った物は、明るい未来でも何でも無い。向こう数十年に渡って,人が住めない土地,作物を作る事が出来ない土地だ。
 真剣に考え直す時が来ている。犠牲の上に成り立つ正義なんて無い。あっちに比べればこっちの方がまだマシ。なんていう論法は無意味だ。次があってはならない。

引き返す勇気を持とう。


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